自己紹介

つぶやくことなんてない

大学生と単位②

 大学での授業は,学校が勝手に時間割を組んでくれて指定された授業に出る,という受動的なものではなく,基本的には学期の初めに自らが取りたい(取るべき)授業を登録し,時間割を自分で組むということをします.自分の取りたい授業を取って自由に時間割が組める.なんて自由なんだ!と思ってしまいますが,だからといって完全週休5日制などを採用していては,4年間で卒業まで漕ぎつことはまず出来ません.卒業するためには指定された数の単位を取らないといけませんから,これを考慮して時間割を組む必要があります.ということを念頭においても,時間割ってその内容については結構自由が利くんじゃないかと思われるかもしれません.

 これは,私が大学生の時間割について,かなり自由な印象を持っていたこともあると思いますが,現実にはそこまで自由度は高くありませんでした.自分の経験から話します.

【工学部〇〇工学科の場合】

 卒業要件は単位の数で表されると話しましたが,その中でも科目の種類によって満たすべき内訳が決められています.具体的には,

・一般教養(文科系)から20単位

・一般教養(理数系)から30単位

・語学(英語)から16単位

・語学(第二外国語)から8単位

・専門科目から50単位

・卒業研究(10単位)

などというように,この時点で自由度はそんなに高くないということが分かります.必修科目や選択必修科目(指定された授業に中から一定の単位数を満たすことが求められるもの)を採ることは絶対に避けられないものですが,他は「必修」ではないからといって多くのルートが残されているわけではありません.一般教養(理数系)や専門科目というのはどれをとっても良いというものではなく,学科やコースによって卒業要件に適用される科目というのが決まっていて,数でいうと,卒業要件の単位数に対し指定された科目が1.2倍程(体感)というほどで,指定された科目をそのまま全部取って,多少の単位を落とすくらいなら余裕で卒業できるということになります.おまけに卒業要件で指定された科目はたいてい履修登録のときにあらかじめリストアップされているので,それをそのまま受け入れればよいのです.時間割作成というのは思ったよりわくわくするものではなかったということです.

 大学4年間の学習の流れはこのようなものになります,

1回 英語,二外,数学・理科の基礎科目,般教(文科)

2回 数学・理科の基礎科目,専門科目,(実験など),般教(文科)

3回 専門科目,実験など

4回 院試/就活,卒論

あらかじめほとんど決められた時間割を順当にこなせば,1回生で語学を,2回で般教(文科系)を3回で専門科目を取り終えることになります.この中で,何を取るかを自分で考えて時間割を組んだのは般教(文科系)くらいです.一番忙しいのは1回生でした.よくがんばったものです.2回からは週一回くらいは全休を作ることができるでしょう.

 卒業要件は満たすべき単位数の下限を表すものなので,もちろんこれを超えて卒業に認められない授業を取ることは全く問題ありません.やる気があれば他学部の専門科目取ることもできます.結局私はしませんでした.

 何が言いたいかといえば,時間割というのはイチから自分で考えて組み立てていく,というものではなく,与えられたものにちょっとずつ付け加えて調整すれば卒業できるものになっているということです.自分自身でもあまりよくわからないままここまで来ましたが,このような学生でもきちんと卒業できるよう,手厚く保護されているようです.何回も言っていますが,これを裏返せばあまり自由が利くものではないということです.この点はすこしがっかりしたものです.